錫光

【錫器】

工房「錫光」は、伝統的な手仕事にこだわり、昔ながらのロクロ挽きを中心とした製品作りを行っています。錫の良さを最大限に引き出し、その魅力を伝えることに力を注いでいます。代表的な製品として、「花ことば」平盃（ひらはい）四季の4客があります。これらの製品は、ロクロ挽き製法を用いており、拭き漆仕上げで着彩され、四季の花を表現しています。その美しいデザインと品質の高さが評価され、埼玉県新商品AWARD2021では「大賞」を受賞しました。

工房「錫光」では、先代中村光山が亡くなる半年前には、秋篠宮家への献上品として「秋草紋水注」を製作し、その名誉に浴しました。この作品は、先代が絵付けを行う前の生地の製作から始まり、千歳グリーンの漆で仕上げられました。このような作業過程を通じて、伝統の手仕事の製法を大切にし、次世代に継承することを使命としています。

先代中村光山が「現代の名工」（01年）、「黄綬褒章」(03年)を受賞されています。常に「次百」の精神を胸に精進し続ける姿勢は、現在の工房でも受け継がれています。

他方、現代の需要に合わせ、異業種の職人やデザイナーとのコラボレーションや交流に積極的に取り組んでいます。これにより、伝統的な製法と現代の要求を融合させた製品を提供することで、新たな価値を創造しています。

良い製品を作るだけでなく、「2087年までに、もう一人の『現代の名工』を輩出すること」を目標に掲げ、次の世代への技術の継承に真剣に取り組んでいます。